2006/Jan/10 Tue | ラムサール条約に向けて
ラムサール条約の理念とは
なぜこの表浜海岸にラムサール条約登録を目指すのか
長年この表浜に接していると、いつもあって当然のような感覚で浜に接し過ごしてきました。
しかし、その反面あまりにも慣れてしまうと見過ごすものです。
普通に海があり、砂浜があり、そして海食崖は緑豊かで、朝は東の海から陽が昇り夕は西の海に沈む。
少し高いところに登ると、海岸は弓状に延びて東と西の端は霞んで見える。
海に囲まれた日本では普通の海岸の景色と思われていた表浜の景色、実はこんな海岸は今や珍しくなってきてしまったのです。
様々な理由で砂浜の砂の供給が減少し、それに追い打ちをかけるように地球規模での温暖化。
30年前は野球が出来るほど広かった砂浜はいまや、猫の額ほど・・・いや実は満潮時には消失してしまう海岸も出てきました。
失いつつある今、その砂浜が様々な働きを持っている事もわかりました。
波を消波させる能力は人工構造物など及びもつきません。
緩やかに波を崩し、しなやかに海水を吸い込む。潮の飛散も最小限に抑え、海水の不純物を濾過さえ行います。
砂浜は堅くないから、まるで魚のヌメリのように陸を守ります。一端削られても復元すると言うコンクリートでは絶対にまねの出来ない事までしなやかに行います。
また砂浜は人々が憩い集まる場所でもあります。
今はシーズンを越えて、サーフィンやスキムボード、釣り、キャンプなど最近は幅広く、スポーツや楽しみの場として砂浜は愛されています。
この地の漁業、地曳き網漁や底引き網漁、またナガラミやシラスなども砂浜があってこそ、その歴史と文化や産業も存在出来るのです。
今、その砂浜が消滅に向かっているのです。その進行は静かですが、着々と進んでいます。
なぜ、そこまで破壊が進んでしまったのか。
今までは環境保護と人の社会、特に自然保護はまるで地域社会や産業と対立するかのように、私たちの意識は捕らわれていました。
その流で数々のタブーが地域に開発と共に生まれ存在しています。実は地域社会はその地域の環境があってこそ成り立つ地域の社会も、社会と自然が両立が出来る道さえタブーに押さえ込まれ、今や私たちは思考停止になってしまったのです。
縦割り構造の自治体による方策や地域の環境放棄も拍車をかけ、長い歴史を積んだ自然と共に進む日本の歴史さえ忘れ去られてしまったようです。
その結果が後戻りが出来ないほどの破壊に繋がったのです。
ラムサールの理念はワイズユース。人と自然環境の相互関係を尊重し、現状から少しでも良い方向に導き出せる道を示す枠組みなのです。
果たしてそんな事ができるのだろうかと疑問もあることでしょう。私たちは実際のところ、その摺り合わせさえしていないのだから疑問を持つより、まずは考え意見を交え実行すべきではないのでしょうか。
「賢明な利用とは?」
ラムサール条約の湿地保全の考え方はワイズユース「賢明な利用」という基本原則に基づいています。
「賢明な利用」とは自然の生態系を維持できる範囲で人が湿地を持続的に利用することでラムサール条約の精神とも言われ、目的でもあります。
人が関わることによって自然が保全されるラムサールの理念や精神は、表浜では昔から行われていました。その例としてかつて地元住民が砂浜を守るために粗朶・堆砂垣と言われる養浜作業が行われていました。その歴史を振り返り、今、表浜ネットワークでは粗朶・堆砂垣を使った養浜も行っています。箇所的に漂砂を堆積させ、その後自生する海浜性の植物(コウボウムギ)などで砂の定着も試みます。緩やかな事業ですが、その自然のしなやかさを再認識し、以前のようなしなやかで循環する表浜海岸を取り戻したいと考えています。
今後も「賢明な利用」を考え持続させて行くことを目標とします。










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