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表浜のウミガメ類 (表浜海岸より:表浜ネットワーク / 加藤 弘)
アカウミガメ
アカウミガメ
 ウミガメは世界に7種類が生息しており、日本の近海でも、その内5種類を見る事ができますが、表浜にやってくるのはアカウミガメだけです。 ウミガメ類は種によって微妙に分布がずれており、他の種類は、もっと南の方の海岸に上陸site散乱している事が知られています。でも、そんな南方系のウミガメも表浜の近くまで来て泳いでいることが分かってきました。 毎年、10〜20頭前後のアカウミガメが表浜に漂着しますが、その種類はアカウミガメだけではありません。オサガメやアオウミガメ、タイマイといったものも含まれています。
表浜の鯨類 (表浜海岸より:OMRC / 駒場 昌幸)
コブハククジラ
コブハクジラ
鯨類(クジラ・イルカ)は、肺で呼吸し、赤ちゃんで生まれ、母親からミルクをもらって成長する哺乳動物です。鯨類は、口の中に歯を持ち主に魚やイカを食べるハクジラ類と、口の中でヒゲ板を持ち主にプランクトンや群れている小魚を食べるヒゲクジラ類に分けられます。現在、世界中でハクジラ類69種類、ヒゲクジラ類13種類、計82種類が知られています。
 沖合で暖流と寒流がぶつかり合う日本近海は、世界的にみても極めて鯨類が多く生息する海域で、これまでに30種類を超える種類が確認されています。渥美半島の太平洋沿岸(表浜)は多くの鯨類が生息している海域に隣接している為、様々な種類の鯨類が漂着する可能性があります。
 1980年から2001年まで、表浜における鯨類の漂着は8種(スナメリ、ハナゴンドウ、スジイルカ、カマイルカ、マルイカ、オガワコマッコウ、コブハクジラ、シャチ)、19例ありました。中でもスナメリの漂着が10例と漂着例の半数を超えています。
表浜の野鳥 (表浜海岸より:渥美自然の会 / 渡辺 幸久)
サシバ
サシバ
ミユビシギ
ミユビシギ
表浜は、ほぼ東西に伸びた砂浜が約55kmに続く、太平洋に面した海岸です。赤羽以西には岩礁海岸も多く存在し、海岸と内陸部の境目は常緑広葉樹の林が発達しています。この事から表浜では、海上では外洋性の鳥、海岸部では水鳥や身近な鳥、さらには日本列島を縦断する渡り鳥に至るまで、幅広い種類の野鳥が観察され、その生活環境や表浜の利用状況から、概ね4つのグループに大別されます。
(1)繁殖以外は主に海洋上を生活圏とする、「海鳥」と呼ばれる、海上で生活するために特殊な機能を持つグループで、アビ目、種名カイツブリを除くカイツブリ目、ミズナギドリ目、ペリカン目、海ガモ、ヒレアシシギ科、トウゾクカモメ科、カモメ科、ウミスズメ科が、これに相当し世界中で約9,000種の野鳥が内300種がこの仲間です。日本では、このうち約100種(野鳥全体で約550種)が観察され、いかに海鳥の比率が高いかが分かります。
(2)海岸の波打ち際で生息する海鳥以外の水鳥のグループで、サギ科、シギ・チドリの仲間がこれにあたります。表浜では、それほど種類は多くありませんが、海岸の環境と密接にかかわりあいながら生活している野鳥のグループです。
(3)海岸の防風林や海岸段丘の草地や林を繁殖地や越冬地として利用している野鳥のグループで、陸鳥の一部がこれにあたります。
(4) 主に秋の渡りの際に、海岸段丘で吹き上がる上昇気流や、防風林等を利用しながら移動する渡り鳥のグループです。タカ渡りで有名なサシバや、何万羽という渡りが見られるヒヨドリなど、陸鳥全般がこのグループに含まれます。
表浜のナメクジウオ (表浜海岸より:東京大学海洋研究所 / 窪川 かおる)
ナメクジウオ
ナメクジウオ
 ナメクジウオは脊索という進化の途中で形質を残している貴重な動物です。5億7千万年前のカンブリア紀をいわれる時代、単純な形をした多細胞生物しかいなかった地球の海に、実に色々な形の動物が一時に現れました。しかし、これらの多種多様な動物のすべてが脊椎を持ってない無脊椎動物でした。その中で、例外的に体の背中側に棒状の構造を持った動物(化石としてカナダのバージェス頁岩中で発見されたものはピカイアという名前です)がいました。この構造が、脊索というものです。
現在の魚類や哺乳類が含まれている脊椎動物は、この脊索を発生の初期の胚の時期にはまだもっていますが、その後消えてなくなり、その代わりというように脊椎(背骨)ができています。一方、現在の脊椎をもっていない無脊椎動物の中でも、脊索を一生のある時期か、一生を通して持っている動物がいます。それが、 ホヤやナメクジウオです。すなわち、はるかな動物の進化の過程では、無脊椎動物から脊索を持つ動物があらわれ、その中から脊椎動物が現れたと考えられています。
 三河湾の大島はナメクジウオ生息地として天然記念物に指定されていますが、私たちの調査が始まった頃はすでに生息地が消滅し、現在はごく稀に発見の報告がある程度です。ナメクジウオの生息環境は粒径が0.4〜0.8mmで、泥が少ない砂の海底です。そこで、ヘドロや泥の堆積、および埋め立て用の砂利の採集は、生息地が消滅する一番の原因となります。幸いにして、表浜はナメクジウオにとって生きやすい環境です。しかしながら、小さな集団をいくつもつくって生息するナメクジウオなので、表浜での全体像はまだ完全には分かっていません。また、繁殖の様子もよくわかっていないので、せっかく日本に残っている貴重な繁殖地を存続させる為に、わたしたちはナメクジウオを静かに見守る必要があります。
平成14年度表浜ネットワーク発行「表浜海岸」より
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